Palenque(パレンケ)はメキシコ・ユカタン半島にある7世紀に最盛期を迎えたマヤ遺跡。ユカタン州の州都メリダから深夜バスで8時間の距離のジャングルの中にある。途中で乗っていたバスのタイヤが外れるという、あり得ないような、とんでもないハプニングで一晩バスの中で夜明かしするはめになった。一緒にいた旅行者同士は何か運命共同体のような一体感があって不思議な感じだった。乗り換えのバスが朝方来て、20時間掛けてやっとたどり着き、歩いてパレンケ遺跡に足を踏み入れて神殿を見た瞬間、なぜか身体に電気が走るような衝撃が襲ってきた。あの時の感動は今でも忘れていない。神殿を登って、中の狭い階段をまた同じくらい降りると、パカル王の遺体が安置された墓室がある。墓室のレプリカはメキシコシティーの国立人類学博物館で見ることができるが、現地で味わった厳かさは微塵も感じられない。いつか妻とパレンケに行き、あの雰囲気を一緒に味わいたいと思っていたが、どうも果たせない夢となった。
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